補聴器を使い始めるタイミング

聞こえにくいと思ったら使い始めましょう

難聴(聞こえ難く)になると、コミュニケーションが円滑にいかず、人間関係や社会適合、心身の健康など、様々な場面で困ることが出てきます。ところが、補聴器をつける決断をするのは、多くの方にとって難しいこと。補聴器をつけないまま時間が経ち、「聞く力」を一層低下させてしまうケースが多くあります。

聞こえに不安を感じたら、できるだけ早く対処することをお勧めしています。体のどこの部分でもそうですが、「聴覚」も刺激を与え続けなければ衰えていきます。例えば、歩かなければ足の筋力が衰えて、やがて立つことすらできなくなってしまいます。それと同じように、「脳」は常に聴覚からの刺激を受け、常に音を聞くトレーニングをしています。この刺激がなくなると、聞く力が低下するだけではなく、それに伴って次第にコミュニケーション能力も衰退していきます。

補聴器をつければ、家族や友達・仲間の声、可愛らしい小鳥のさえずり、木の葉のざわめき等、様々な音を再び聞き、多くの人々と語らいながら趣味を楽しむような、充実した生活の助けとなるでしょう。

何気ない会話が、実は一番大切です

「ご飯だよ」「お風呂だよ」など、必要なことは家族が大きな声で話してくれるから、補聴器はまだまだいらないよ。という話をよく聞きます。確かに、どうしても伝えなければならないことは、相手も声を張り上げて話してくれると思いますが、私たちの会話は「用件を伝えるだけ」ではありません。一見すると、世間話や冗談などは、それほど重要ではない「どうでもよい会話」のように思われがちですが、実はこれこそが人間関係をスムーズにして、明るく楽しく過ごすために必要なことなのです。

大切な用件であれば、相手も何度も大きな声で話してくれるでしょうが、それほど重要ではない会話を、わざわざ大きな声で話してくれる人は少ないのではないでしょうか。会話はタイミングが大切です。冗談を聞き逃してしまい、「えぇ?何だって?」と聞き直したとしても、もう一度話してくれることはありません。ですから、何気ない会話がサッと聞こえることは、健全な人間関係を保つ上で、とても大切なことなのです。

難聴が進んでくると、耳元で大声を張り上げて叫んであげないと、聞き取れなくなってきます。それが毎日続くと、話してくれる相手も疲れてきますから、「ご飯!」「風呂!」など必要最低限の「単語」でしか話してくれなくなってしまいます。しかも、それは一方通行の「伝達」であり、「会話」とは程遠いものです。どうでしょうか、このような生活の中に明るさや優しさ、楽しさはあるでしょうか。補聴器をつけて「何気ない会話」を楽しみましょう。

一歩外へ出たら、いろいろな人との出会いがあります

家の中であれば、難聴である家族に対して、まわりもある程度の理解はあるでしょう。しかし、一歩外へ出れば、いろいろな人に出会い、会話をする機会も多くなるでしょう。そしてその時に出会う相手は、あなたが難聴であるかどうかは知らないか、知っていたとしても理解はそれほど深くないのではないでしょうか。

そこでの会話のすれ違いは、時としてトラブルの原因になる場合もあります。例えば挨拶をされても、それが聞こえずに返事をしなかったら、相手はどう思うでしょうか。また、会議や打ち合わせの内容が聞き取れなかった時、何度も何度も聞きなおすのでしょうか。それともいい加減に勝手な解釈をしてしまいますか?このようなことが繰り返されると、あなたには何も悪気がなくても、誤解が生じ、次第に信頼感が薄らいでしまうかもしれません。

場面によっては、あらかじめ相手に「大きな声で話してください」とお願いをしておくこともできますが、大きな声でわかりやすく話すことは大変なことで、度重なると相手もだんだん嫌になってしまうかもしれません。補聴器をつけて、聞く努力をしていることがわかれば、周りの人も納得して、それなりの話し方をしてくれるはずです。

難聴を放置すると認知症リスクが高くなる?

実際のところ、「難聴」と「認知症」の因果関係はハッキリとわかっていないようです。しかし、難聴だと会話のテンポが遅れたり、見当違いな返事をしてしまうなど、その場に合った適切な受け答えができず、会話へ積極的に加わろうとしなくなるため、あたかもボケてしまったかのように見られてしまうことはあるでしょう。いろいろな人と関わり、コミュニケーションを通して様々な刺激があると、脳は活性化されます。そういう意味からすると、聞こえづらいからといって、家に引きこもって人と会うのを避けたり、テレビやラジオも聞かないという生活を長く続けていれば、認知症のリスクは高くなるのかもしれません。聞こえないことをあきらめるのではなく、積極的に補聴器をつけていろいろな人と会って会話を楽しむ。そういう刺激を常に受けるように心がけましょう。

性格にも様々な変化が表れてくる?

病気や外傷によるものではなく、年齢とともに聞こえにくくなってきた場合、一般的には本人も気がつかないうちに少しずつ聞こえが悪くなってきます。変化は緩やかなのですが、実はそこには多くの問題が発生しています。聞こえ難くなってくると、会話がスムーズにいかないことによるトラブルを無意識のうちに避けようとするため、いろいろなことに自身が持てなくなり、引っ込み思案になりがちです。行動が消極的になり、外へ出て人と会うのが億劫で家の中に引きこもりやすくなるようです。また、相手の話がよく聞こえないことや会話の輪の中へ入っていけないことによる疎外感や孤独感、劣等感、怒り、苛立ち、自己嫌悪といったマイナス的な感情がわきやすくなります。そうした状況で日々過ごしていると、家族や親しい人たちの言葉であっても、神経質に受け取ってしまうこともあるようです。時には攻撃的になり、相手の話すことを聞こうとせず、一方的な主張をするようになってしまうこともあります。こういった状態が続くと、病的な精神状態へ進行しないとも限りません。早めに補聴器をつけるなど、「聞こえない状態」を軽視したり放置しないようにしたいものです。

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